GLOSSARY

用語集

あ行

アクリル樹脂

メタクリル酸エステル重合体。略称PMMA(PolyMethyl MethAcrylate)
耐候性及び工学的性質、特に透明性に優れた樹脂で、窓ガラス、照明器具、光学レンズ等に使用されている。

アクリロニトリルブタヂエンスチレン(ABS)

アクリロニトリル(Acrylonitrile)-ブタヂエン(Butadiene)-スチレン(Styrene)共重合体。略称ABS。
ポリアクリロニトリルが持つ剛性、耐薬品性、耐熱性、ポリスチレンが持つ成形性、表面外観、ポリブタジエンが持つ耐衝撃性がバランスよくミックスした樹脂特性をもっている。非結晶性樹脂。
ABS樹脂は、組成、構造等、ポリマーを設計する上で、きわめて広範囲に変性させることが可能であり,自動車部品、各種電気製品、日用品、雑貨等に広範囲に使用されている。

アッセンブリー(アッシー)

組立作業、または組立作業によって製品を生産すること。略称:アッシー(ASSY)と表記される。
複数部品から構成されるユニット部品自体を指す場合もある。

アニーリング

成形品を冷却する過程で、樹脂内部に生じたひずみや残留応力を取り除く熱処理のこと。アニール処理、焼鈍(焼きなまし)とも呼ばれる。

アンギュラーピン

金型開閉に伴って、アンダーカット部を構成するスライドコアを移動させるピン。
金型の開閉方向に対して所定の角度をもってはめ込まれたピン。フィンガーピンともいう。

アンダーカット

成形品を型から取り出すときに、金型を開く方向のみでは離型できない凸凹形状をアンダーカットという。
アンダーカット部を離型できるように移動させる処理をアンダーカット処理といい、外側スライドコア方式、内側スライドコア方式、油圧シリンダ方式などがある。

インサート成形

金型内に金属等の異材質部品を予め挿入し、異材質部品の周りを樹脂で覆って一体化する成形方法。
樹脂と金属部品との境界付近に熱膨張係数の差によるクラックが発生しやすい。
また成形性を考慮して、竪型射出成形機を使用する場合が多い。

ウエルドライン

成形時、金型内で分流した樹脂の2つ以上の流れが、合流部分で完全に融合しないときに生じる線状のムラをいう。

AS樹脂

スチレン(Styrene)-アクリロニトリル(Acrylonitrile)共重合体。略称AS。
スチレンとアクリロニトリルを共重合させた樹脂で、透明性、高剛性、耐薬品性、耐熱性に優れている。

ABS樹脂

アクリロニトリル(Acrylonitrile)-ブタヂエン(Butadiene)-スチレン(Styrene)共重合体。略称ABS。
自動車、電気・電子機器等の外装に多く使用されているポリスチレン系樹脂。

エジェクタ(押し出し・突き出し)

金型から成形品を取り出すために、成形品を突き出す装置。

エラストマー

エラスチック(elastic)-ポリマー(polymer)の造語。
加熱すると熱可塑性プラスチックの挙動を示し、冷えて固化するとゴムのような弾性をもつ高分子材料。

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)

機械的強度に優れ、耐熱温度100℃以上、耐衝撃性など特定の機能を強化してある樹脂材料の総称。

か行

ガイドピン

金型の固定側(キャビティ)と可動側(コア)を、正しい位置に定めるために用いられるピン。
型閉時の破損防止など、金型を保護する役割を持つ。

可塑化

加熱シリンダーの熱とスクリュの剪断発熱によって樹脂を溶融軟化させ、流動しやすくすること。

型締方式

射出(保持)圧力により、金型が開かないように締め付ける射出成型機の型締装置の方式をいう。型締装置の方式には直圧式、トグル式などがある。

型締力

樹脂充填時の圧力に対抗して、金型を閉じておくために金型に加える力。一般的にTonで表す事が多い。

金型

樹脂材料をある決まった形状にするため、溶融樹脂を射出注入する金属製の型。
基本的には固定側、可動側の二つの型で構成される。

ガラス繊維(GF)

GFまたはグラスファイバーともいう。樹脂を補強する目的で添加し、機械特性、寸法安定性、剛性が向上する。

気泡

成形品の内部にできた空洞の事。ヒケやボイドともいう。
冷却工程では製品の表面から冷却されていく為、中心部との収縮差により気泡(ヒケ)が発生する。特に厚肉部に発生しやすい。

キャビティ

成形品が成形される金型内部の空間のことをいう。 金型の雌型(一般的に固定側)のことをいう場合もある。

クッション量

保圧工程が終了した時に、射出シリンダーの先端部に残っている溶融樹脂の量のこと。
保圧工程で、金型内の樹脂の体積減少に相当する材料を補給する意味がある。
クッション量が不適正だとこの効果が得られず、品質不良の原因となる。

クラック(割れ)

内部応力、もしくは外部からの衝撃等により生じた割れのこと。

ゲート

溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出する入口(湯口)。
ゲートは出来るだけ均等に充填する様に配分し、収縮にバラツキが出ないようにする。
ゲートの種類には、ダイレクトゲート、サイドゲート、ピンゲート、ファンゲート、フィルムゲート、サブマリンゲート等があり、製品の品質を考慮して選定する。

結晶性樹脂

分子鎖の配置が規則的で、結晶を形成している領域の比率が高い樹脂。
機械的強度や耐薬品性に優れた性質を持つ半面、寸法精度を確保するのが困難なものが多い。
PP、PE、PA、POM、PET、PBT、PPS等。
⇔非結晶性樹脂、非晶性樹脂

コア

金型の成形品内面(裏面)を形成する部分のこと。金型の雄型(一般的に可動側)のことをいう場合もある。

コールドスラグ

金型内に射出された溶融樹脂が急速に冷却されてできた高粘度化した樹脂、または固化した樹脂のこと。
対策としてコールドスラグウェル(溜まり)を設けるなどがある。

さ行

サックバック

計量工程でスクリュ先端部の溶融樹脂にかかっている圧力を下げる為、計量完了後スクリュを強制的に後退させること。一般に小さすぎるとハナタレ、大きすぎるとシルバーの原因となる

射出圧縮成形

成形工程において、射出中にわずかに金型を開き、充填した後に型締め等によって一部あるいは全面を加圧・圧縮し成形する方法。残留応力を減らす効果があり、変形が少なくなる。

射出圧力

溶融樹脂を射出する時のスクリュ先端部の圧力のこと。

射出質量

1ショットで射出される成形材料の質量のこと。

射出成形

プラスチックを成形する方法の一つで、成形材料を射出シリンダの中で混ぜ合わせ、可塑化して溶かし、スクリューによって金型内に圧入し、成形する方法。 熱可塑性プラスチックのほとんどの種類を成形することができる。

射出成形機

材料を射出する「射出装置」と、成形する「型締め装置」から構成されている機械。材料の樹脂を溶かして、金型という枠に流し込み(=射出)、高い圧力をかけて製品を形作る(=成形)装置のこと。

射出速度

溶融樹脂を金型内に射出する時のスクリュの前進速度のこと。

ジェッティング

ゲートから型内に射出された樹脂が不規則な流動をし、ひも状のまま固化して成形品の表面にうねった流れ模様が出る現象のこと。

ショートショット

樹脂が金型内に完全に充填されず、成形品の一部が欠ける現象のこと。

シルク印刷(シルクスクリーン印刷)

スクリーンの穴からヘラでインクを擦り出し、文字や絵を印刷する方法。用途としては樹脂製品だけでなく紙、布、金属等への印刷にも用いられる。
スクリーンの材質が絹(シルク)だった事が名前の由来だが、現在は絹製ではなくナイロンやポリエステル等が主流である。

シルバーストリーク(フラッシュ・銀条)

樹脂の流動方向に沿って銀白色のすじが発生する現象のこと。ゲート付近、又は全体に発生する。
樹脂の乾燥不足、または樹脂の熱分解により発生する。

真空成形

シートを熱成形する方法の中で最も普及している成形法。シートを型の上にクランプしたまま加熱軟化させ、型とシートとの隙間を真空にしてシートを型に密着させ、冷却後真空を切って成形品を取出す方法のこと。
看板等の大型品から、カップやトレーなどの小物などに用いられている。

真空注型

金型の代わりにシリコンゴム等を複製用の型として使用し、真空槽内で型に樹脂を流し込んで複製を作る方法。
気泡が出にくく精度も比較的高いが、材質の選択肢が少なく、型の耐久性も低い。

振動溶着

熱可塑性樹脂の二部品の一方の部品を静止状態に保ち、もう一方の部品を直線往復運動させるときに発生する熱エネルギーを使用して溶接する方法。

スクリュ

射出成形機の加熱シリンダ内で回転することによって、成形材料を可塑化、混練、計量する螺旋状の溝を持つ軸。
スクリュの材質に特殊鋼を用いた耐食耐摩耗タイプや、溝形状が特殊な高混錬タイプ等がある。

スプル-

金型のノズルタッチ部から、ランナーまたはゲートまでの溶融樹脂の流路の一部。またはこの部分の固化した材料をいう場合もある。

成形サイクル

1回の成形を完了するのに必要な一連の操作(型締め⇒射出⇒冷却⇒可塑化⇒型開き⇒取り出し)、または必要な一連の時間のこと。

成形収縮

成形品を金型から取り出した後、冷却過程で成形品が収縮し体積が減少すること。樹脂によって収縮率は異なる。

ソリ

成形品の残留応力の緩和や成形品の温度差、または部分的な収縮率の違い等により生じる凸状、あるいは凹状の変形のこと。

た行

タイバー

射出成形機のダイプレートを支え、金型の開閉動作を案内し、型締中は型締力を受け止める部材。

タイバー間隔

射出成形機のタイバー間の内側寸法をいい、水平及び垂直方向のタイバー間の内側寸法を表す。
金型取付可否を検討するのに使う。

超音波溶着

熱可塑性樹脂の二部品を、微細な超音波振動と加圧力によって瞬時に溶融し、接合する加工技術。

デーライト

射出成形機の固定ダイプレートと可動ダイプレートの最大間隔のこと。
金型取付可否の検討、及び成形品を取り出す間隔を検討するのに使う。

トグル

射出成型機の型締め機構の一種。油圧シリンダやサーボモーターで発生した力を、トグル機構を用いて大きな型締力を得る機構のこと。

な行

ナフサ

原油を常圧蒸留装置によって蒸留分離して得られる、低沸点(おおむね30 - 180℃程度)の炭化水素からなる油のこと。粗製ガソリン、直留ガソリンなどとも呼ばれる。
ガソリン、プラスチック、化学繊維、合成洗剤などの原料として使用される。

二色成形

異なる2種類の樹脂を交互に射出し、金型内で一体化して成形する方法のこと。

抜き勾配

成形品が金型から離型しやすいように、抜き方向に設ける勾配のこと。

熱可塑性樹脂

加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化する樹脂の総称。
固化した樹脂を加熱すると、再び軟化し可塑性を示す。

熱硬化性樹脂

熱や化学反応によって硬化する性質をもった樹脂の総称。
加熱すると軟化し、金型内で更に温度を上げると化学反応により硬化する。 一度硬化した樹脂は再加熱しても軟化しない。
成形サイクルは比較的長い。

ノズル

射出成形機の、射出ユニット先端に取付ける射出口。

は行

パージ

射出成形機の加熱シリンダに残留する材料を取り除いたり、異材料に置き換えたりする操作をいう。

パーティングライン

金型の固定側と可動側が合わさる分割面にできる線のこと。略称PL。

背圧

射出成型機の可塑化(計量)工程において、スクリュ回転で樹脂を可塑化、混練し、シリンダ前方へ溶融樹脂を送るが、その溶融樹脂の圧力でプランジャが後退する際、逆方向(射出方向)に掛ける圧力のこと。
背圧が低すぎると、溶融樹脂が空気を巻き込んでフラッシュが発生したり、混錬不足による色むらが発生することがある。
背圧が高すぎると、溶融樹脂の温度が上がりすぎ、ハナタレや樹脂ヤケ等の原因となる。

ハナタレ

シリンダ内の樹脂がノズル先端やゲートから垂れて出てくること。鼻水が垂れる状況に似ている事からこう呼ばれている。
条件対策として、サックバック、樹脂温度を下げる、背圧を下げる等があり、設備面ではシャットオフノズル等も効果的である

バリ

金型の合わせ面の隙間から樹脂が流出し、固化した製品の余計な部分のこと。
対策として、金型合わせ面の隙間調整、射出(保持)圧力を下げる、樹脂温度を下げる等がある。

ヒケ

成形品に厚肉部があるとその部分の収縮が大きくなり、製品表面の樹脂が厚肉部の中心方向に引き込まれて凹み形状が発生すること。
対策として、肉盗みをとる、保持圧力を上げる、樹脂・金型温度を下げる等がある。

非結晶性樹脂

分子が結晶化せず、不規則な配置で固体になる樹脂。非晶性樹脂ともいう。
透明度が高く、塗装や接着性も優れています。 また結晶性樹脂よりも寸法精度を確保しやすい。
PS、PC、AS、ABS、PMMA、PVC、PAR、PPE等。
⇔結晶性樹脂

プラスチック

高分子物質を人工的に合成したもので、自由に成形できる材料の総称。ギリシャ語の“plastikos(形づくる、形成される)”が語源となっている。
松脂や漆等の天然樹脂を参考にして作られた人口物質なので、合成樹脂とも呼ばれている。
熱を加えると軟化し冷えると固まる性質を持つ[熱可塑性樹脂]と、熱を加えると軟化し更に熱を加えると固まる性質を持つ[熱硬化性樹脂]がある。

フラッシュ

樹脂の流動方向に沿って銀白色のすじが発生する現象のこと。ゲート付近、又は全体に発生する。
樹脂の乾燥不足、または樹脂の熱分解による揮発性ガスの影響で発生する。シルバーストリークや銀条ともいう。

フローマーク

金型内を溶融樹脂が流れるとき、成形品の表面にゲートを中心としたリング状や波状の流れ模様が出る現象のこと。
対策として、樹脂温度を上げる、金型温度を上げる、射出速度を下げる等がある。

ペレット

直径または一辺が2~5mm位の粒状の成形材料のこと。
ホットカット方式だと球形、ストランドカット方式だと円柱形または角柱形に造粒される。

ボイド

成形品の内部にできた隙間(空洞)のこと。ヒケと同じく厚肉部に発生しやすい。
対策として、肉盗みをとる、保持圧力を上げる、樹脂・金型温度を下げる等がある。

保持圧

金型のキャビティ内に溶融樹脂が充填された後、ゲートからの樹脂の逆流を防止する為と、キャビティ内の樹脂が冷却収縮した分の体積減少を補う為、ゲートが固化する(ゲートシール)までの間加圧する圧力のこと。

ホットスタンプ

加飾シートを加熱した凸版でプレスし、成形品に転写させる方法。
箔押(はくおし)とも言う。

ホットランナー

金型内のスプル・ランナー部(樹脂流動部)を温度制御して溶融状態を保つユニットのこと。
ゲートはシンプルなオープンゲートや、自動でシャットオフするバルブゲート等があり、金型構造によっては多点も可能である。
廃材削減(ランナーレス)や、サイクルアップ、成形性向上等の効果がある反面、金型製作コストが上がる。

PA(ポリアミド)

アミド基などの重合によってつくられる線状合成高分子物質。通常ナイロンと呼ばれる。略称:PA(PolyAmid)
特徴として、摩擦係数が小さく自己潤滑性があり、耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性、耐溶剤性に優れている。機械の摺動部品(ギヤ、軸受け等)等に使用される事が多い。反面、吸水性が高く成型前の乾燥が不十分だと材質変化を起こしたり、寸法精度に悪影響が出る。また溶融粘度が低く金型精度が低いとバリが出やすい。
モノマー中の炭素数によって、PA6、PA66、PA11、PA12、PA610、PA612 等がある。

PAR(ポリアリレート)

主にビスフェノールAとフタル酸を重合させた、樹脂融点が250℃以上のスーパーエンプラの一種。略称PAR(PolyARylate)。
透明性が非常に高く、衝撃強度、耐熱性、耐候性に優れている。精密機器(カメラ摺動部品等)・自動車(ヘッド・リヤランプカバー等)・機械・医療等に使用されている。

PBT(ポリブチレンテレフタレート)

テレフタル酸とブタンジオールを重縮合させて得られるポリエステル樹脂。略称:PBT(Poly Butylene Terephtalate)。
機械的特性、耐熱性、摩擦・摩耗特性に優れている。反面、強酸、強アルカリに弱く、高温高湿環境で加水分解を起こす。

PC(ポリカーボネート)

ビスフェノールAとホスゲン(炭素、酸素、塩素の化合物)の縮合重合によって造られる樹脂。略称:PC(PolyCarbonate)
透明性、耐熱性、寸法安定性、難燃性などに優れ、特に耐衝撃性は熱可塑性樹脂の中でも最高レベルである。
反面、表面硬度はHB程度で擦るとキズがつきやすい。また有機溶剤や界面活性剤で劣化しやすい。

PE(ポリエチレン)

エチレンを重合した最もシンプルな構造の樹脂。略称:PE(PolyEthylene)
成形加工性が良く、耐薬品性に優れている。樹脂の中では比較的安価で大量生産・大量消費材に使用される事が多い。
分子量や密度によって強度が変わる。低密度ポリエチレンLDPE(Low Density Polyethylene)は柔軟性が高く、包装材料などに多く使用され、高密度ポリエチレンHDPE(High Density Polyethylene)は剛性が高く、容器やコンテナ等に適している。
成形収縮率が大きく、変形やヒケが発生しやすい。また残留応力によるストレスクラックを起こす事がある。

PET(ポリエチレンテレフタレート)

エチレングリコールとテレフタル酸の重縮合して作られるポリエステル樹脂。略称:PET(PolyEthylene Terephthalate)
透明性が高く、耐薬品性、耐熱性に優れており、衣料用繊維、食品包装用フィルム、飲料容器等に使用される。
ペットボトルの名称は、この樹脂名が由来。

PP(ポリプロピレン)

プロピレンを重合した樹脂。比重が小さく軽量で水にも浮かぶ。略称:PP(PolyPropylene)
成形加工性が良く、耐薬品性、機械的性質、剛性などに優れている。耐疲労性が高くヒンジ特性がある。吸水性が低く、予備乾燥はしなくてもよい。
反面、成形収縮率が大きく寸法精度が出しにくい。また低温時の強度が極端に低くなる。
ポリプロピレンには、コモノマーとの共重合の形態において、ホモ、ランダム、ブロックの3種に分類される。
ホモポリマーは、プロピレン単独の重合体で、高剛性で透明度が高い。
ランダムコポリマーは、ホモポリマーより結晶性が低い。比較的透明度が高く、かつ靭性に優れた柔軟なポリマー。
ブロックコポリマーは、ホモポリマーより耐衝撃性に優れているが、乳白色が強く透明度が低い。

m-PPE(ポリフェニレンエーテル)

2,6ジメチルフェニレンオキサイドを重合したPPEとPS(ポリスチレン)とのポリマーアロイ。略称:変性PPE(modified-Poly Phenylene Ether)
PPEは軟化点が高く、機械的・電気的特性、吸水性、寸法安定性に優れているが、溶融粘度が高く成形性に劣る為、流動性を改善した変性PPEが現在の主流となっている。
バランスの良い機械的特性と、広い温度域での機械強度、耐薬品性に優れているのが特徴。成形収縮率も小さい為、比較的寸法精度は出やすい。

PPS(ポリフェニレンサルファイド)

ベンゼン環に硫黄が結合してつながった重合体。略称:PPS(Poly Phenylene Sulfide)
耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性に優れているが、耐衝撃性が弱い為、ガラスや炭素繊維、無機質充填剤などの強化剤を用いる事が多い。

POM(ポリアセタール)

ホルムアルデヒドを主原料とした重合体。略称:POM(PolyOxyMethylene)ポリアセタールやポリオキシメチレンともいう。
機械特性、耐熱性に優れ、耐摩擦摩耗性、耐疲労性については非常に高い性能を発揮する。
反面、耐酸・アルカリ性、耐候性が低い。成型機のシリンダー内で長時間滞留させると熱分解が起こり、有毒なホルムアルデヒドガスを発生する。

PS(ポリスチレン)

スチレンおよびその誘導体を主体とする重合体で、代表的な熱可塑樹脂の一種。略称:PS(Poly Styrene)
種類としては、汎用のGPPS(General Purpose PolySthylene)と、耐衝撃用のHIPS(High Impact PolySthylene)がある。
GPPSの特徴として、透明性が非常に高く、電気特性、耐候性が高い。溶融粘度が低く成形性が非常に良い。反面、耐衝撃性が非常に低く、有機溶剤に侵される。
HIPSは、GPPSにゴム成分を配合したもので、耐衝撃性は高いが透明性が損なわれている。

ま行

マスターバッチ

高濃度の顔料が練り込まれたペレット状の着色剤。ナチュラルペレットと所定の割合で混合する。
顔料がパウダー状のものをドライカラー、顔料が既に練り込まれている状態のペレットを着色ペレットという。

メタクリル樹脂(PMMA)

メタクリル酸エステル重合体。略称PMMA(PolyMethyl MethAcrylate)
耐候性及び工学的性質、特に透明性に優れた樹脂で、窓ガラス、照明器具、光学レンズ等に使用されている。

めっき

非導体の樹脂表面を特殊な表面処理加工(エッチング)を施して導体化し、樹脂製品表面に電気めっきを施す。
樹脂材料はABSかPC/ABSが主流。

や行

焼け

樹脂が熱分解して黄変、炭化すること。
対策として、樹脂温度、射出圧力、射出速度を下げる、金型内の適所にエアベントを設ける等がある。

ら行

ランナー

金型のスプルブッシュからゲートまでの通路、またはこの通路で固化した樹脂のこと。

リブ

製品を補強する為、またはソリ等防止に用いる構造のこと。

冷却時間

金型内に充填された溶融樹脂を固化させる時間。

ロケートリング

金型を成形機に取り付ける時に、金型の位置を正確に合わせるために取り付けられた金型中心部のリングのこと。

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